ランドセルの「背カン」とはどんな役割があるの?
入学準備をされているご家庭ではランドセル選びをされていると思いますが、小さな子どもの体に負担がかからないようにしてあげるためにも、ランドセル選びを失敗したくはないですよね?
ランドセル選びを失敗しないために必要なポイントを押さえておけば、お子さんの体に負担がかかにりくくお気に入りのランドセルを選ぶことができます。
ランドセル選びにおいていくつかあるポイントのなかの1つが「背負いごこち」ですが、ランドセルの性能を決める欠かすことができない重要なポイントになります。
そして、この背負いごこちに大きく影響してくるランドセルのパーツが「背カン」です。
あまり聞きなれた言葉ではない「背カン」とはいったい何だろう?と思う方も多いのではないかと思いますが、「背カン」とはランドセル本体と肩ベルトをつなぐパーツのことをいい、ランドセル本体とお子さんの背中をフィットさせるという役割を持っています。
ランドセルの背負いごこちは背カンの機能によって良くも悪くもなり、背負いやすい工夫がされている背カンのランドセルは、背負う荷物の重さを軽く感じさせてお子さんの体への負担を軽減してくれます。
3種類の背カンとその特徴とは?
背カンのタイプは大きく分けると3種類あり、「固定型背カン」「非連動型背カン」「連動型背カン」のタイプに分かれます。
ひと昔前のランドセルではほとんどが「固定型背カン」が使用されていましたが、現在ではランドセルのほとんどが「非連動型背カン」と「連動型背カン」が使用されています。
ランドセル本体と肩ベルトを装着する部分が固定されており、肩ベルトも動かないためランドセルの着脱がしにくく、ランドセル本体と肩に隙間ができ肩ベルトに直接負担がかかります。
ランドセルの重さによって重量が後ろにかかり腰に負担がかかってしまうため、その重さを前に持っていこうとするので猫背になりがちです。
背カンが壊れないという点では固定型背カンが1番なのですが、背負いごこちを考えるのならばおすすめはできないタイプの背カンです。
肩ベルトが左右別々に開く動きをするため、ランドセルを片方の腕から通すときにとてもらくに背負うことができ、高学年になって体格が大きくなってもその子の体格に合わせて背カンが開くので着脱しやすく、元気に動きまわってもその動きに合わせて左右別々に動いてベルトがフィットしやすくなります。
ランドセルメーカーのハシモトグループが、数々のアイデアや技術を盛り込んだ独自のブランドとして「フィットちゃん」シリーズのランドセルが作られ、非連動型のアップ式背カンの1つである「フィットちゃん背カン」が独自に開発されました。
フィットちゃん背カンによって肩ベルトが左右に動くことで、体が大きくなってもランドセルの着脱がしやすく、自然な動作で走ったりすることができます。
ランドセルの両肩のベルトの付け根を25°立ち上がるようにスプリングで固定したことで、背中とランドセルの接触面積が今までよりも10%アップしたため、肩への負担が減り自然な姿勢を保つことができ、ランドセルが体にフィットするため、背負いやすく体感重量も軽く感じることができます。
また、両肩ベルトの付けの部分は天使のはねと同じで、金属並みの強度がある、エンジニアリング・プラスティックと呼ばれる強化プラスティックで出来ています。
金具メーカーのモミジヤ鞄材が製造している「ウィング背カン」は、フィットちゃんと同じ非連動型のアップ式背カンの1つで、両肩ベルトの付け根の部分は強化プラスチック内部の素材が金具になっていることで肩ベルトが上向きに立ち上がります。
肩ベルトの内部に入っている樹脂や形状記憶ナイロンなどの素材によってベルトが持ち上がり、使えば使うほどに子どもの体型に合うようになっていき、フィット感がアップする工夫されており、背中とランドセルとの隙間がなくなることで子どもへの負担が軽くなります。
一方の肩ベルトが開くと同時にもう一つの肩ベルトも開くことで、常に連動して動いてランドセルの重心が中心で維持されるようになっている機能で、ランドセルがずり落ちてしまうということがありません。
天使のはねは、セイバンが開発した白い羽のような形をした、固すぎず、柔らかすぎない透明な樹脂素材が、ランドセルの両肩のベルトの付け根に内蔵されています。
この天使のはねが内臓されたことで肩ベルトが立ち上がり、ランドセルの重心が上がるため、背中とランドセルの隙間がなくなり体にフィットすることで体感重量が軽く感じます。
「天使のはね」と「左右連動型背カン」の機能によって、常に体の中心にランドセルがくることで安定するので、背負いやすく軽く感じられるようになり、子どもの肩の負荷を減らして姿勢を正しく保つことができます。
また、両肩ベルトの付け根の部分は金属並みの強度がある、エンジニアリング・プラスティックと呼ばれる強化プラスティックで出来ており、耐久性に優れているため通常の使用では壊れにくい素材です。
立ち上がり(アップ式)背カンとは?
近年はランドセルに入れていく荷物が増えたからこそ、少しでも子どもへの負担を軽減させてあげたいという大手ランドセルメーカーによって開発されたのが「体感重量を軽くする背カン=立ち上がり(アップ式)背カン」です。
肩ベルトを持ち上げる工夫がされることで背中とランドセルとの隙間がなくなり、ランドセルの体感重量が軽く感じることができる機能を持った背カンの総称のことをいいます。
セイバンの天使のはねという樹脂の機能で立ち上げているものと、背カンのプラスチック部分にとおっているパイプを楕円形にすることで、肩ベルトがつながっている金属製の三角カンがこのパイプの中で自由に動かないように制限されることで肩ベルトが立ち上がるものがあり、教材が増えてきている小学生にはぜひほしい機能です。
背カン+肩ベルトで背負いごごちがかわる
現在では、多くのブランドで左右連動型と非連動型の2つの背カンが多く使用されており、それに立ち上がっている肩ベルトや背面の凹凸、肩ベルトの形状や内部に入っている素材などによって背負いやすくなるように工夫され、それぞれのブランド独自の背負いごごちになります。
基本的にブランドランドセルに使用されている背カンは、何度も繰り返しで耐久性がテストされているものが使用してるため、壊れるということはほとんどないということです。
背カンのパーツがいい加減なものを使用しているものだと、大きな力がかかる部分なので割れたりなど壊れてしまうため、一流メーカーの背カンが使用されているものを選びましょう。
見た目だけでは同じように見えてしまうランドセルでも、実際に背負ってみると1人1人のお子さんの体型などによって背負いごごちや快適さは違います。
購入した後にやっぱり背負いごこちがよくないと後悔しながらの6年間になってしまうよりも、きちんと販売店や直売店などで試着してお子さんが背負いやすいぴったりの、お気に入りのランドセルを選んであげてください。